「My Journey」製作記:前編

ネクシネマ初の縦型ショートフィルム「My Journey」。

なんと『-Nikon Presents- Vertical Movie Award 2022』で審査員賞をいただきました。

その製作記を脚本、監督、撮影のRyoがお届けします。

こんにちは。ネクシネマのRyoです。
まずは「My Journey」本編をぜひご覧ください!1分49秒の短い作品です。

この作品は、私の初脚本、初監督作でした。

一定の自信と誇りを持って応募しましたが、全て自惚れでしかなく、誰にも注目されないまま終わる可能性に怯えながら作った処女作だったんです。

Netflixの映画「Tick, tick… BOOM! : チック、チック…ブーン!」をご覧になった方は分かると思いますが、大げさに言うとあの主人公と似た感覚です。
(とっても良い映画です。Netflixが観られる方はぜひご覧ください!)

Tick, Tick... BOOM! Dual Áudio - Baixar MEGA | Filmes Mega
リン=マニュエル・ミランダ監督, Tick, tick… BOOM! : チック、チック…ブーン!, Netflix, 2021

とても幸運なことに審査員賞をいただけましたが、この製作記はあくまで初心者として、

「はじめてのショートフィルムをどう作ったか」

の記録として、あわよくば「自分も映像作品を作りたい」と思っている方、同様の不安を抱えている方への参考になればと思います。

製作の経緯

11月に同じくネクシネマの北見さんが、

「『-Nikon Presents- Vertical Movie Award 2022』に出品したい」

と宣言され、島田も参加することにしたのが始まりです。

-Nikon Presents- Vertical Movie Award 2022

「島田さんもよかったら企画作ってみて」と、12月に人生初となる脚本を書きました。
結果、北見さんがそれを手伝ってくださることになり、北見さん、田代さんからフィードバックをいただきながら脚本を修正し、製作に至ります。

なぜドラマにしたか

このコンテスト、実は「新しい挑戦」がテーマとしてあるのみで、ダンスでもMVでもVlogでもよく、ドラマにする必要はありませんでした。

そのため、田代さんはスタジオ撮影のインナーモノローグ、北見さんはダンス動画の方向で模索されていました。そもそもネクシネマとしても各メンバーが忙しい時期で、企画も撮影も手間がかかるドラマはあまり向いていなかったんです。

でも、私はどうしてもドラマにしたかった。

個人的に、

① 抽象的すぎる映像があまり好きじゃない(映像好き以外にも見てほしい)
② 縦動画でドラマを見るという文化が間もなくできると考えている
③ ショートフィルム製作に関わり、その魅力に取り憑かれた
④ なによりネクシネマとして出すなら「物語」でありたい
という想いがあるから、と当時のメッセージの履歴に残っていました。

また、海外の1分間ショートフィルムなどで「1分でも面白いショートはできる」という確信があり、わがままを言って(お二人とも賛成してくださり)、ドラマで行かせてもらいました。

どうストーリーを書いたか

縦構図に合う被写体として「自転車」をモチーフにするアイディアを田代さんにいただき、そこに私が高校時代に自転車通学を始めて感じた「どこへでも自分で行ける、行きたい」感覚を取り込んで書きました。

通常と少し異なるのが、かなり早い段階で絵コンテを作ったことです。

実際の絵コンテ

縦型動画のフォーマットを活かした映像にしたかったので、自転車をどういうアングルから映せるか、画的にどう会話を描くかを探るため、Storyboarderというソフトを使って、第2稿と同時に絵コンテにしました。

縦型動画の構図

縦型動画をどう活かすか、ではVookさんのウェビナー記事に加え、
デイミアン・チャゼル監督がAppleのプロモーションで撮影した、9分のショートフィルム“The Stunt Double”を参考にしました。

(iPhone 11のプロモなので公式は削除されていますが、検索するとあります)

Damien Chazelle監督, The Stunt Double, Apple, 2020

これは縦型動画の教科書だと思いました。縦型をダイナミックに活かせるよう、あらゆる構図を探り、それをベースにストーリーを書かれたんだと思います。

同時に、私はギミック的に、目立つ形で縦型らしい構図を使って、
「あ、そうだこれ縦型だ。構図活かしてるな」と思わせたくないとも考えていました。

その気付きは、ストーリーへの没入感を減らしてしまい、ドラマの特性と合わないと思ったからです。ストーリーに集中して見てもらい、
最後に「そういえば縦だ、違和感なく生かされてたな」ぐらいを目指しました。

キャスティング

キャスティングするのも初めてでしたが、脚本執筆途中から、弟役は杉本茉由さん、兄役を両角颯さんでイメージするようになりました。

それぞれ別のショートフィルムの現場でお会いしたのですが、お二ともオファーを受けて出演してくださったので、結果的に執筆時のイメージのまま映像化することができて、とてもラッキーでした。


さて、遂に撮影ですが、機材や編集、その後の反響や受賞については、
近日中に後編で書かせていただきたいと思います。

「これはどう決めたの?」「レンズは何を使った?」など気になることがあれば、ぜひSNSなどで私にお知らせください!後編で詳しく書かせていただきます。

それでは、後編もお楽しみに!

『「My Journey」製作記』
前編:本記事

後編:近日公開予定

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