はじめまして、こんにちは。ネクシネマの北見です。
2021年8月にネクシネマメンバーの力を借りて撮影した、自主企画のダンスフィルムを先日公開しました。早速ですが、こちらで視聴が可能です。
去年くらいから、というか結構前から、
「ダンスを一回撮ってみたいなぁ~…」
と漠然と思っていたので、ちょっと強引なスケジュールではあったのですが、8月の仕事の合間を利用して撮影をしました。初めての機会でしたがとても楽しく撮影できて良かったです。
(いざやってみるとたくさんの気づきもありました)
今回はこの作品が完成するまでの経緯を、映像制作の大まかなフローも踏まえながら簡単に書いてみたいと思います。
映像制作のことが良くわからない方も是非読んでいただけたら幸いです。
【1】企画
映像制作のスタートであり、最も大切なのが「企画」です。
「企画」と書くと少し難しく感じられるかもしれませんが、簡単にいえば、まずは
「なぜ映像を作るのか」「映像を作って何がしたいのか」「誰に映像を見てもらいたいのか?」
といった目的を明確にすることだと思っています。
クライアントさんからのご依頼であれば、そこには様々な目的があるかと思います。
・「映像を使って自社の商品/サービスを認知させたい」
・「映像を作ってブランドイメージを高めたい」
・「映像コンテンツを作って販売したい」
などなど。
今回は自主企画ですので、自分で何かしらの目的を決めなければいけません。
もちろん「ダンスを撮りたいから」という純粋な動機だけでも悪いわけではないのですが、それだけではぼんやりとしすぎているので、このようにしました。
“自身の作例にちょっと異質でクリエイティブな動画を加えてポートフォリオを充実させたい”
“機材知識&技術力を向上させたい”
【2】プリプロダクション
プリプロダクションとは、撮影までに行う準備全般のことを指します。
企画をより具体的なイメージに落とし込む為のリファレンス(参考資料)収集や、絵コンテの作成、ロケーションハンティング、キャスティング、スタッフィング、衣装・美術の準備、スケジュールや予算の管理などを行います。
必ずしも正しい順番はなく、制作する映像の内容によって進行を変えたり、全体を把握しながら状況によって何から決めていくのかを判断していきます。
プリプロダクションをどれだけしっかり行えたかどうかが完成映像のクオリティに直結してきたりします。
※実はこのプリプロダクションが映像制作の中で一番時間と手間がかかる部分だったりします
今回はダンスが主体なので、まずはご出演いただけるダンサーさんを起点に、撮影する映像のイメージを膨らませて、その後必要なものを準備していく…という進め方にしました。
ダンサーさんの募集にはシネマプランナーズを利用しました。
シネマプランナーズ
プロ・アマ問わず、一歩上をゆく映画制作・製作を目指す人達の為の映画制作・製作支援サイト。
シネマプランナーズを通して月岡果穂さんと出会うことができ、ダンスはコンテンポラリーのジャンルに絞りました。
僕は特別ダンスに傾倒しているわけではありませんが、ヴィル・ヴェンダース監督の
「Pina/ピナ・バウシュ踊り続けるいのち」
という映画がずっと印象に残っていて、その雰囲気も参考にしたいと思いました。
ダンスに使用する音楽は、Artlistで一番イメージが湧いた「Night Rider」という曲にしました。
この曲から、「シーンは夜で、ダーク且つホラーなイメージ、カラフルなライティング……」などのイメージを固めました。
最終的な決め手になったのはロケーションです。
今回はネクシネマメンバーの島田さんから色々な案をいただき、とても素敵で面白い一軒家を見つけることができました。
【3】撮影
撮影は事前に作成した香盤表(撮影の進行スケジュール)に沿って撮影をしていきます。
撮影は夜になってからなので、日中はダンスの動きのタイミングや撮影するカットのアングルなどの確認をして、19時頃に撮影をスタート。
タイムリミットは約3時間。撮影をしていると時間が本当にあっという間に過ぎます。最後少し雨が降ってきて焦りましたが、なんとか無事撮影を終えることができました。
この撮影ではじめてGodoxTL60というフルカラーRGBチューブを購入&使用しました。色を自由に変更することができ、色々と試すことができました。
【4】ポストプロダクション
ポストは「後の」という意味で主に編集作業のことです。
撮影した素材を当初のイメージに沿って並べていきます。
必ずしも全てのカットがイメージ通りに撮れているわけではありません。
あるいは、イメージ通りに撮れていても、いざ繋げてみると「思ったより上手く繋がらない、違和感がある……」なんてこともあり、試行錯誤を続けます。
そうして完成したのが最初にお見せした映像です。
いかがでしたか?
少しでも何かを感じ取っていただけたら嬉しいです。